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Triple Product Wavelet Integrals for All-Frequency Relighting

Ren Ng, Ravi Ramamoorthi and Pat Hanrahan,Triple Product Wavelet Integrals for All-Frequency Relighting, to appear at SIGGRAPH 2004.

http://graphics.stanford.edu/papers/allfreqmat/

タイトル

全周波リライティングのための三重ウェーブレット積分

論文 Abstract 日本語訳

本論文では、前計算済みの光輸送(light transport)に基づいた効率的なレンダリングに焦点を当てます。

環境マップなどの全周波数(all-frequency)直接光条件下におけるリアルなマテリアルと影を扱います。

これらの基本的な難しさというのは、光の方向、視点の方向、そしてサーフェスの位置という6 次元空間における表現(representation)と計算法になります。

リアルタイムレンダリングのためのイメージベースドおよび(実写との)合成レンダリング手法が提案されてきましたが、どれもライティングと視点の両方における変化を捉えられる高いサンプリングレートを実現することはできませんでした。

現在のアプローチはそれゆえ低次元(ライティングまたは視点のどちらかの変化のみで、両方ではない)、もしくは低サンプリングレート(低周波ライティングと低周波マテリアル)に制限されていました。

ここでは、我々は新しい光輸送の理論的かつ計算的な解析を提案します。

我々は、可視性(visibility)とマテリアルの性質を別々に前計算で表現する、分離した表現(factored representations)を用います。

レンダリングは、各頂点で、ライティング、可視性、BRDF の三重積分を必要とします。

我々の主要な寄与は、これらの三重積分の一般的な解析であり、これはコンピュータグラフィックスと数値解析において広い応用が期待できます。

我々はまず、ポイントサンプル、球面調和関数(spherical harmonics)、ウェーブレット(wavelet)の各種基底の計算複雑性(computational complexity)を見つけ出します。

その後、ライティングと BRDF の非線形ウェーブレット近似で用いる Haar ウェーブレットの、効率的な線形時間およびほぼ線形時間のアルゴリズムを述べます。

新しいライティングと視点状況下で数秒で画像をレンダリングするデモを実際に行います。本手法は既存の手法よりもはるかに高速です。

全文日本語訳とか要点とか

1 導入

要点
正確にレンダリングを行なおうとすると 6 次元の計算になる。これだと計算量とデータ量が膨大になるので、この量をどううまく減らすか。

図 1 に示されるような、詳細な自然界的なライティング、リアルな材質、複雑なソフトシャドウなどは、リアルなコンピュータグラフィックスにおける重要な効果です。

しかし、とくに電子商取引やモデリングソフトなどのインタラクティブアプリケーションにおける、コンピュータ生成による画像には、影とグロス反射との間の相互作用などの視点依存の効果が抜けています。

既存のレンダリングは数時間を要すこともあり、これだとライティングデザインなどのアプリケーションのデザインサイクル(design cycle)が、とても長くなってしまいます。

本論文では、数秒でリアルな画像を生成することが可能である、ライティングと視点のインタラクティブ操作に向けての一歩を踏み出します。本手法は既存の手法にくらべて数十倍も高速です。

我々のアプローチは、静的な(動かない)シーンに関する情報を前計算し、その後動的に視点と環境マップライティングを変化させながらリアルタイムレンダリングすることが基本です。

基礎的なアプローチは、Nimeroff ら [1994] と Dorsey ら [1995] により初めて導入されました。その後この分野の多くの研究が近年行なわれました [ Sloan te al. 2002; Ng et al. 2004; Sloan et al. 2003a; Sloan et al. 2003b]。

我々のアプローチはまた、イメージベースドレンダリング法にも基づいています。この手法では、前計算は通常実世界の画像を取得することで行なわれます。

これらの手法のすべては、本質的な問題にぶつかります。それは計算が 6 次元(ライトの方向、視点の方向、サーフェスの位置のおのおのが 2 次元)の世界に存在し、かつ複雑な影や反射が密にサンプルされなければならないということです。

各次元を 100 のサンプリングレートとした場合、1 兆(10^12) ものサンプルが必要になります。これでは前計算を行なったり、データを保存したり、リライティング(relighting)することも不可能です。

多くの、インタラクティブでありリアルタイムでもあるアルゴリズムが既存の研究で発案されてきました。

多くは 6 次元の問題を、Sloan et al. [2002; 2003a; 2003b] で使われた低周波ライティング(low frequency lighting)と低周波材質(low frequency material)などの、非常に低いサンプリングレートを用いることにより解決していました。

このアプローチは高速でコンパクトでありますが、照明を帯域制限するため、ライティングの詳細がぼけてしまいます。

他のアプローチでは、 6 次元のうちいくつかを捨てることで、高サンプリングを可能にしています。たとえば Ng et al. [2003] では、カメラを固定にすることで、視点の変化を取り除いています。

ウェーブレットライティング(wavelet lighting)近似と組み合わせることで、彼らは 6x64x64 のキューブマップによる全周波(all-frequency)のリライティングを可能としました。これは Sloan らの 25 項の球面調和関数(spherical harmonics)近似よりも 1000 倍も高解像度です。

この高解像度では、シャープな影や反射などの、低周波照明ではぼやけてしまうようなライティング効果を解決します。

本論文における我々のゴールは、視点を変化しつつもこれらの豊かなライティング効果をレンダリングすることです。

我々は、既存の手法に生来の高次元と高サンプリングレートの困難さを解決する、光輸送(light tansport)の前計算の、新しい数学的で計算的な解析を発案しました。

我々のより詳しい寄与は以下の通りです。

コンパクトな分離形式による効率的なリライティング

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