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メトロポリス光輸送

Image copyright Eric Veach and Leonidas J, Guibas.

メトロポリス光輸送 ( Metropolis Light Transport ) は、SIGGRAPH 1997 で Veach and Guibas により提案された [1] グローバルイルミネーションレンダリングアルゴリズムの 1 つである。

メトロポリス光輸送 はメトロポリスサンプリング ( Metropolis Sampling ) [2] と呼ばれる計算物理学で用いられているモンテカルロ法の、CG レンダリングへの応用である。

メトロポリスサンプリングはマルコフ連鎖モンテカルロ法( Markov Chain Monte Carlo, MCMC) の基本的なアルゴリズムであり、いわゆる(特に物理学における意味での)モンテカルロ法という分野の開拓となったアルゴリズムである。

メトロポリス光輸送 は洗練されたアルゴリズムであり、画像の明るい部分を集中的にサンプルするという非常に効率的なレンダリング手法である。そのため コースティクス などの光が多く当たる部分をノイズなしにきれいにレンダリングすることができる。そのかわり部屋の隅などの暗い部分はノイズが現れやすい。これはコースティクスにノイズが出やすい パストレーシング の性質と逆である。

メトロポリス光輸送 では、基本は パストレーシング や 双方向パストレーシング を用いるが、レイの各サンプリングパスを毎回最初から全部計算しなおすのではなく、前回のサンプリングパスの一部に変異(mutation)もしくは摂動(permutaion)と呼ばれる変化をサンプリングパスに与え、新しいサンプリングパスを生成する。

そのため通常の パストレーシング や 双方向パストレーシング に比べてレイトレーシングの回数が減る(前回のサンプリングパスを再利用する)ので、同じサンプリングパスの本数を生成する場合であれば メトロポリス光輸送 は パストレーシング や 双方向パストレーシング より高速にレンダリングすることができる。

[カテゴリ:レンダリングアルゴリズム]

最終更新時間:2004年04月05日 15時17分25秒